糖尿病は現在急速に患者数が増えている病気でありながら、いまだに画期的な治療法がない疾患である。そのため糖尿病を専門とする糖尿病科を設置する病院もあるなど、その重要性はますます高まっている。そんな糖尿病科で勤務することによって、看護師は多くのことを学ぶことができる。まず糖尿病という病気はさまざまな合併症を引き起こす病気である。糖尿病は血糖値が上昇することによって引き起こされる病気だが、血糖値が上昇することによって身体のあらゆる部分に悪影響を与える。特に影響を受けやすいのが腎臓や眼、神経といった部分で、たとえば眼の場合は網膜が侵されて最悪の場合失明に至ることもある。糖尿病科に勤めることによって、こういった合併症に関する知識を学ぶことができる。さまざまな疾患への対応をすることになるので、ほかの診療科目と比べると幅広い知識やスキルを身につけることができる。また糖尿病の治療をしてく上で欠かせないのが患者との対話である。食事の内容や日常生活についてなど、様々なことを患者からヒアリングして、それをもとに改善すべき場所をアドバイスして実践してもらうことが糖尿病の進行を抑えるための基本的な方針となっている。糖尿病の治療は食事制限など患者にとっては辛いこともあるので、患者の中にはなかなか指示に従ってくれない人もいるため、家族の協力も必要となる。さまざまな経験を積むことでコミュニケーション能力は飛躍的に向上するだろう。